インスタのPR表記のやり方|ステマ規制の対象と書き方の判断基準を整理

インスタのPR表記のやり方|ステマ規制の対象と書き方の判断基準を整理
📅 公開日: 2026年9月18日🔄 最終更新: 2026年10月31日

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インスタのPR表記は、書いたほうが丁寧そうだから入れる、という感覚の問題ではありません。その投稿が広告主の広告・宣伝に当たるかどうかで、表記の要否が決まります。

消費者庁は、広告であることを隠した表示を景品表示法の規制対象として扱う運用を令和5年10月1日から始めており、判断の軸は消費者庁のステルスマーケティングのページから読み取れます。

先に結論を3つ書きます。1つ目は、規制の名宛人は広告主であって、依頼を受けて投稿する発信者側ではないこと。2つ目は、それでも発信者は表記を求められる立場にあり、理由は広告主との契約とInstagram側の独自ルールの2系統に分かれること。

3つ目は、表記に使う言葉より、投稿を見た人が広告だと判別できる置き方かどうかのほうが重視されること。この3点が分かると、案件ごとに迷う時間がほぼ消えます。

この記事は、案件やギフティングを受け取る個人の発信者が、投稿のたびに「表記が要るのか」「どこに置くのか」「何と書くのか」を自分で決められるようにするための手順書です。

根拠は消費者庁が公開しているステルスマーケティングに関するQ&Aと、Instagramのクリエイター向け公式ページの文言に限定しています。取得できなかった資料の内容は書いていません。なお、この記事は法的助言ではありません。

景品表示法は個別の事案ごとの事情を総合的に考慮して判断されるため、個別の案件についての最終的な判断は、広告主または弁護士などの専門家に確認してください。

目次

インスタのPR表記が必要になるのは「事業者の表示」に当たるときだけ

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PR表記とは、その投稿が事業者の広告・宣伝であることを見た人が判別できるように、投稿の中に「広告」「PR」などの言葉を置く表示のことです。投稿の善し悪しを示すラベルではなく、出どころを明らかにするための表示です。

出発点は、投稿が「事業者の表示」に当たるかどうかという一点です。消費者庁はステルスマーケティングに関するページで、「広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すことがいわゆる「ステルスマーケティング」です。」と説明しています。告示の名称は「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」で、令和5年10月1日から運用されています。

ここで大事なのは、「商品が写っているか」でも「リンクを貼ったか」でもないという点です。判断されるのは、その表示の内容を決めるところに事業者が関わっていたか、そして見た人がそれを事業者の表示だと分かるかの2つです。

自分が広告主から何を受け取り、投稿内容にどこまで指定があったかを並べると、答えはかなり絞り込めます。

仮の例で考えます。Aブランドから化粧水を無償で受け取り、「使ってみた感想を投稿してほしい」と依頼され、訴求したい成分名まで指定された場合、表示の内容決定にAブランドが関わっています。

この投稿は事業者の表示として扱い、広告であることを示す前提で作ります。反対に、自分で買って使い続けている商品を、誰からも頼まれずに紹介する投稿は、この出発点の時点で別の扱いになります。

案件の入口そのものをどう作るかは別の話になるので、受注の流れから知りたい場合はインスタPR案件のもらい方と報酬相場の記事を先に読んでおくと、この記事の判断がそのまま使えます。

ステマ規制の対象は広告主|発信者が対象外でも表記を求められる理由

景品表示法の規制対象は、自分が供給する商品やサービスの表示内容の決定に関わった事業者、いわゆる広告主です。依頼を受けて投稿した発信者は、この規制の名宛人には含まれません。

消費者庁のステルスマーケティングに関するQ&AのQ1は、「ステルスマーケティング告示の規制対象となるのは、景品表示法における他の不当表示規制と同様に、自己の供給する商品又は役務の取引に関する表示について、その内容の決定に関与した事業者(いわゆる広告主)です。」と書いています。続けて「広告主から広告・宣伝の依頼を受けて表示(例えば、SNSへの投稿等)を行うインフルエンサーやアフィリエイターは規制の対象外となります。」とも書かれています。同じQ1には「ただし、インフルエンサー等が、広告主と共同して商品等を供給しているという例外的な場合には、当該インフルエンサー等も規制の対象となります。」という例外も置かれています。

この一文を読んで「では自分は何も気にしなくてよい」と受け取ると、実務では困ることになります。発信者が表記を求められる理由は、法律の名宛人だからではなく、次の2系統だからです。

1つは広告主との契約で、広告主は自社が違反と判断されないように、発注条件として表記の文言や位置を指定してきます。もう1つはInstagram自身のルールで、こちらは法律とは別に、プラットフォームの利用条件として発信者に向けられています。

だから「自分は対象外なので表記しない」と押し切ると、法的な責任の話ではなく、案件が止まる、以降の発注が来なくなる、プラットフォーム上で投稿の扱いが変わる、という形で自分に返ってきます。

表記は、規制を恐れて入れるものというより、広告主と自分の双方の安全余地を作る作業だと考えたほうが判断が早くなります。

PR表記が要るかを見分ける3つの起点(依頼・対価・内容への関与)

表記の要否は、広告主から依頼があったか、対価を受け取ったか、投稿内容に広告主の関与があったか、という3つの起点の組み合わせで見分けます。どれか1つだけで機械的に決まるものではありません。

実際の案件は、きれいに「報酬あり」「報酬なし」に分かれません。報酬はないが商品は届く、投稿内容は自由だが投稿自体は頼まれている、といった中間形が多く出ます。

そこで、受け取ったもの、頼まれたこと、投稿内容への関与の3つを並べて、投稿ごとに位置づけを確認します。

受け取ったもの・頼まれたこと 投稿内容への広告主の関与 事業者の表示に当たりやすいか 発信者側で取る対応
金銭の報酬を受け取り、投稿も依頼された 訴求点や掲載時期の指定がある 当たるものとして扱う 投稿の目に入る位置で広告であることを示し、ラベルも付ける
報酬はないが商品を無償で受け取り、投稿を依頼された 感想は自由だが投稿自体は依頼されている 当たる場合がある 依頼の文面を保存し、広告主に表示方針を確認する
以前から使っていて、後から商品が届いた 指定はなく、投稿の時期も自分で決めた 当たらない場合がある 提供を受けた事実を書き添えるかを自分で決める
割引や特典と引き換えに投稿を条件づけられた 評価や記載内容に条件がある 当たるものとして扱う 条件の内容を記録し、広告であることを示す
自分で購入し、依頼も対価もない 関与はない 当たらない 表記は不要。自費で購入した旨を書くと読者が判断しやすい

この表は「迷ったら上の行に寄せる」という使い方をします。上の行ほど広告主の関与が強く、表記を入れないときの説明が難しくなります。逆にいちばん下の行まで来れば、表記を入れないことの説明がつきます。中間の行に入る案件が実務ではいちばん多いので、次の章で個別に見ていきます。

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無償で商品を受け取ったときの判断(ギフティング)

ギフティングとは、金銭の報酬ではなく商品やサービスの提供を受けて投稿する形の取引です。無償だからという理由だけで表記が不要になるわけではなく、依頼の有無と投稿の動機で扱いが変わります。

消費者庁のステルスマーケティングに関するQ&AのQ5は、インフルエンサーに商品を無償提供し「よろしければ使用後の感想をSNSに投稿してください。」と声をかける場面を取り上げています。

その判断では、インフルエンサーとの間のやり取りの内容、無償提供の内容、無償提供の目的、取引関係の有無といった事情が見られるとされています。つまり、無償かどうかではなく、依頼として受け取れるやり取りがあったかが効いてきます。

もともと使っていた商品が後から届いた場合については、Q17に別の説明があります。

「元々B商品を気に入っており、当初から投稿しようと思っていたような場合にまで、『広告』『PR』等と記載して投稿をする必要はありません」とされ、そのうえで提供を受けた旨を記載することは有益であるとも書かれています。自分から投稿する予定だったという経緯が、判断の分かれ目になっています。

依頼も対価もない投稿については、Q21が「自主的な意思に基づいて表示(投稿)を行う場合、当該投稿は『事業者の表示』に当たらないため、『PR』等と記載する必要はありません」と書いています。

ここを読み違えて、案件にも「自分がよいと思ったから」と理由を付けて表記を省くと、依頼の事実が残っている以上、説明が成り立ちません。

仮の例で整理します。Bブランドから継続的に商品が届き、月1回の投稿を続けているアカウントがあるとします。

初回は自分で見つけて購入し、2回目以降は提供を受けて投稿している場合、2回目以降は提供と投稿の関係がはっきりしているので、広告であることを示す側に寄せます。

継続提供を受ける立場そのものの作り方はインスタアンバサダーのなり方の記事にまとめています。

「PR」以外の言葉でもよいのか|表記に使える用語の考え方

表記に使う用語は「PR」に限定されていません。見た人にとって事業者の表示だと分かる状態になっていればよく、どの語を使うかは手段の一つとして扱われています。

消費者庁のステルスマーケティングに関するQ&AのQ11は、「表示内容全体から、一般消費者にとって「事業者の表示」であることが明瞭となっていればよく、「広告」、「宣伝」、「プロモーション」、「PR」以外の用語を記載する方法が禁止されているものではありません。」と書いています。運用基準で例として挙がっているのが「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」の4語で、それ以外が使えないという意味ではない、という整理です。

実務では、この自由度を広げすぎないほうが安全です。読み手が一読して広告だと分かる語かどうかが基準なので、業界内でしか通じない略語や、英字だけの表現は避けます。

判断に迷ったら、その言葉を初めて見た人が広告だと受け取れるかを、自分以外の人に確かめます。

広告主から文言を指定される場合もあります。「タイアップ」「提供」「案件」といった語を指定されたときは、それだけで完結させず、投稿全体を見たときに広告だと分かる状態になっているかを併せて確認します。

語の選択と、置き場所や見え方は別の論点で、次の章の内容と組み合わせて初めて成立します。

表記を置く場所|キャプション・ストーリーズ・リール・ライブでの違い

表記の置き場所は、見た人が投稿を見るのと同じ流れの中で表記に気づけるかどうかで判断します。投稿の末尾やコメント欄など、読まれない可能性が高い場所は避けます。

消費者庁のQ&AのQ14は、投稿の本文ではなくツリー(リプライ)に「広告」などの記載がある場合について、「通常、一般消費者が当該記載に気付かないおそれがあり、事業者の表示であることが明瞭とはいえない場合が多いと考えられます。」としています。本文の外に置くという発想そのものが、判断上は不利に働きます。

動画については、Q15に、動画の場合は途中から視聴する人も考えられるため冒頭の表記だけでは見逃すおそれがある、という説明があり、画面上に常に「広告」と表示するなど、動画全体を通して事業者の表示であることが明瞭となるようにしておくことが望ましいと書かれています。

投稿形式 表記を置く位置 見落とされやすい形 公開後の確認方法
フィード投稿 キャプションの1行目、折りたたみより前 長文の末尾やタグの列の中に入れる 自分のアカウントを開き、展開前の表示で見えるか確かめる
カルーセル投稿 キャプション冒頭と、1枚目の画像内 最後の画像にだけ入れる 1枚目だけを見た状態で判別できるか確かめる
リール キャプション冒頭と、動画内で継続して見える位置 冒頭0.5秒だけの表示 音を消し、途中から再生して表記が見えるか確かめる
ストーリーズ 各枚に配置し、他の要素と重ねない 1枚目にだけ入れ、以降は省く スタンプやリンクに隠れていないか自分の端末で確かめる
ライブ配信 配信の冒頭と、話題が商品に移るたび 配信開始の告知だけで済ませる アーカイブを途中から再生して聞こえるか確かめる

いちばん多い取りこぼしが、ハッシュタグの列の中に表記を紛れ込ませる形です。タグを20個並べた末尾に置くと、見た人の目には他のタグと同じ重みでしか入りません。

タグ自体の設計はハッシュタグの付け方の記事にまとめていますが、表記はタグ設計とは切り離し、本文の先頭で完結させる前提で考えます。

キャプション全体の組み立て方はキャプションの書き方の記事が参考になります。ストーリーズは1枚あたりの情報量が少なく余白の取り合いになるので、ストーリーズ運用の記事で構成を見直し、表記を置ける位置を先に決めておくと作業が速くなります。

Instagramのタイアップ投稿ラベルは景品表示法とは別の約束

タイアップ投稿ラベルは、ブランドとの提携があることをInstagram上で示すための機能です。景品表示法の規制とは別に、Instagramが発信者に対して示している条件として扱われています。

Instagramのクリエイター向け公式ページ「ブランドと提携して収益を得る」には、「タイアップ投稿であることを常に明示する」という見出しのもとに、「コンテンツに関して何らかのかたちで報酬を得ている場合は、タイアップ投稿のラベルを追加する必要があります。」と書かれています。さらに「ビジネスパートナーから提供されたものは、金銭でもそれ以外のものでも、ラベルの使用対象となります。」とも記載されています。

ここが法律側の整理と重なるところと、ずれるところの両方を含みます。重なるのは、金銭以外の提供も対象に入れている点です。ずれるのは、こちらは発信者に向けた条件として書かれている点で、規制の名宛人が広告主だという整理とは立て付けが違います。

両方を満たす形にするのがいちばん手間が少なく、具体的には本文側の表記とラベルの両方を用意します。

同じページには、ブランドコンテンツとして扱えない商品にも触れており、「薬物、武器など、特定の商品はブランドコンテンツとして宣伝できません。」と書かれています。

また形式面の制限として、動画コンテンツや音声コンテンツにプリロール広告、ミッドロール広告、ポストロール広告を含めることはできないとされています。案件の商材や構成を受ける前に、この2点は先に照合しておきます。

ラベルの設定画面は更新されることがあるため、操作手順はこの記事では扱いません。ラベル機能を使う前提としてプロアカウントへの切り替えが関わってくるので、まだ切り替えていない場合はプロアカウントへの切り替え方法の記事を先に確認しておくと、案件の開始日に慌てずに済みます。

アフィリエイトリンクを使う投稿での表記

アフィリエイトは、成果に応じて報酬が発生する仕組みです。冒頭に一文を入れておけば足りるとは限らず、その一文が見た人に届く形になっているかまで見られます。

消費者庁のQ&AのQ13は、アフィリエイトサイトの冒頭に「このサイトはアフィリエイト広告を利用しています。」等と記載がされていても、文字のサイズや色なども踏まえ、一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭となっていることが必要だ、という趣旨を書いています。定型文を置いた事実ではなく、その定型文が読まれる状態かどうかが問われています。

Instagramの場合、リンクを置ける場所が限られるぶん、表記と導線が離れがちです。プロフィールのリンク集に商品リンクをまとめ、投稿側では触れない構成にすると、投稿だけを見た人には成果報酬の関係が伝わりません。

リンクをどこに置くかを決めたら、その導線に入る手前の投稿側で表記を完結させます。

収益の作り方そのものを見直したい場合は、Instagramアフィリエイトの基本とアフィリエイトASPの選び方の記事が土台になります。

どのASPを使うかで規約上の表記ルールも変わるので、ASPを決めた時点で、そのASPが求める表記と、この記事で整理した表記の両方を満たせるか確かめます。

過去の投稿に後から表記を足すよう頼まれたとき

公開済みの投稿について、広告主から後から表記の追加を求められることがあります。この場面は、対応の可否だけでなく、投稿が今どう見えているかの確認から入ります。

消費者庁のQ&Aには、数年前に広告主の依頼で行ったSNS投稿について、今になって「広告」等の記載をしてほしいと言われた場合を取り上げたQ20が置かれています。

同じ状況が想定されているという事実だけでも、対応を断る前に一度立ち止まる理由になります。

実務で先にやるのは3つです。1つ目は、当時の依頼内容と対価の記録を探し、その投稿が事業者の表示に当たる形だったかを自分で確認すること。2つ目は、今の投稿がどう見えているかを実際に開いて確かめること。3つ目は、編集で対応するのか、投稿を残したまま別の形で示すのか、広告主の希望を文面で受け取ることです。依頼の受け止め方と返信の組み立ては修正依頼への対応手順の記事がそのまま使えます。

キャプションの編集で足りる場合は、末尾に追記するのではなく冒頭に置き直します。画像や動画の中に表記を入れる必要があるときは、差し替えになるので、いいねやコメントが引き継がれない点を広告主に伝えてから進めます。

修正の進め方でもめやすい部分はSNS副業の請求書と入金管理の記事でも触れている取引条件の整理と同じで、口頭で決めないことが唯一の予防策になります。

案件を受ける前に広告主とすり合わせる項目

表記の判断は、投稿を作る段階ではなく、案件を受ける段階で決めておくと手戻りがなくなります。広告主側が判断の主体である以上、方針の確認は発注時の質問として成立します。

次の4つを、受注のやり取りの中で文面に残します。質問の言い方まで決めておくと、聞きにくさがなくなります。

確認すること 質問の言い方の例 回答が得られないときの扱い
この投稿を広告表示として扱うかの判断 今回の投稿は広告表示として扱う前提でよいか確認させてください 広告表示として扱う前提で作り、その旨を伝えて進める
表記に使う文言と置く位置 表記の文言と位置に指定はありますか。指定がなければ冒頭に置きます 冒頭に「PR」と置く形で作り、確認用に見せてから公開する
タイアップ投稿ラベルを付けるか ラベルの付与と、ビジネスパートナーの指定はどうしますか 付ける前提で準備し、指定がなければ本文側の表記で補う
投稿の二次利用と表記の引き継ぎ 投稿を御社側で使う予定はありますか。その際の表記はどうなりますか 二次利用は個別合意とし、現時点では自分の投稿分だけを対象にする

この4つを聞くと、相手の体制もだいたい見えます。表記の方針が即答で返ってくる広告主は、自社の判断基準を持っているので、後から急な修正依頼が来る確率が下がります。

逆に「そちらで判断してほしい」としか返ってこない場合は、表記を入れる側に寄せたうえで、そう決めた経緯を残しておきます。単価や条件の詰め方そのものはPR案件のもらい方の記事の受注条件の整理と合わせて使うと早いです。

表記の判断を記録に残す手順

記録とは、どの投稿について、どんな依頼と対価があり、なぜその表記にしたのかを後から示せる状態にしておくことです。判断そのものより、判断の経緯を残せているかが効いてきます。

残すのは案件ごとに4点です。依頼のやり取りの原文、受け取った対価の内容と受領日、投稿内容への指定の有無、そして自分が表記をどう決めたかの理由です。

スクリーンショットを1つのフォルダにまとめ、投稿日とアカウント名でファイル名を付けておくと、後から探す手間がほぼなくなります。

仮の例を挙げます。「2026-04-12_Cブランド_ギフティング_依頼DM」「2026-04-12_Cブランド_受領品リスト」「2026-04-15_投稿URL_表記方針メモ」の3ファイルを1フォルダに入れる、という粒度です。

メモには「商品提供と投稿依頼があったため冒頭にPRと記載」のように、1行で理由を書いておけば足ります。

この記録は、表記の説明がつくという意味だけでなく、金銭以外の提供を受けた取引の把握にもつながります。

物品の受け取りをどう扱うかは税務の論点にも重なるので、年間の整理を始める前にインスタ副業の確定申告の記事を読み、記録の粒度をそろえておくと二度手間になりません。

よくある表記ミスと直し方(仮の例)

表記のミスは、入れ忘れよりも「入れたつもりで届いていない」形が大半です。直し方は、表記を増やすことではなく、表記が最初に目に入る位置へ動かすことです。

1つ目は、キャプションの最後にタグと一緒に置く形です。仮の例として「素敵な使い心地でした #スキンケア #コスメ好きさんと繋がりたい #PR」という並びは、見た人の目にはタグの一部としてしか入りません。

直すときは、キャプションの1行目を「PR|Dブランドから商品提供を受けて投稿しています。」に置き換え、タグ側からは表記を外します。

2つ目は、ストーリーズの1枚目にだけ入れて、2枚目以降を省く形です。ストーリーズは途中から見る人がいるので、商品に触れる枚すべてに置きます。

3つ目は、リールの冒頭だけにテキストを出す形で、これは音を消して途中から再生すると見えないことがすぐ分かります。4つ目は、提携先の素材をそのまま使い、素材の中に表記があるから足りると考える形です。

4つ目に関しては、素材の権利の扱いもあわせて確認が要ります。提供された画像や他のアカウントの投稿をそのまま使う場合の考え方はリポストと許可の記事に整理しています。

表記があるかどうかと、その素材を使ってよいかは別の確認なので、案件ごとに両方を通します。

公開後に自分の投稿を見返すときは、フォロワーとしてではなく、初めて見る人の順序でたどります。発見タブから入った人はプロフィールを見ていませんし、リールを途中から見た人は冒頭を見ていません。

その視点で1本ずつ確認すると、直すべき箇所がほぼ自動的に見つかります。数字の動きを合わせて見たい場合はインサイトの見方の記事が役に立ちます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 企業から商品を無料でもらっただけで、まだ投稿は頼まれていません。それでもPRと書くべきですか。
投稿の依頼がなく、自分の判断だけで投稿するなら、表記が求められる形からは外れます。ただし、受け取りのやり取りの中に「よければ投稿してください」といった声かけが含まれていた場合は、依頼として読めるかを確かめます。迷ったときは、提供を受けた事実を書き添える形にしておくと、読者にも経緯が伝わります。
Q2. 「#PR」をハッシュタグの1つとして最後にまとめて置くのは問題になりますか。
タグの列に紛れる置き方は、見た人が気づかないおそれが残ります。消費者庁のQ&Aでも、本文の外に置いた記載は明瞭とはいえない場合が多いという整理が示されています。タグとしても残すのは構いませんが、それとは別に本文の冒頭で示す形にします。
Q3. 広告主から「PR表記は入れないでほしい」と言われたらどうすればよいですか。
その場で受けず、判断の理由を文面で確認します。広告表示に当たらないという判断であれば、その根拠を聞き、やり取りを保存します。根拠が示されないまま省略を求められる場合は、表記を入れる形での実施を提案し、折り合わない案件は見送る判断も選択肢に入れます。
Q4. ストーリーズは24時間で消えるので、表記は省略してよいですか。
表示が消えるかどうかと、公開時点で広告だと分かるかどうかは別の話です。見ている人はその時点で判断するので、掲載期間の短さは省略の理由になりません。ハイライトに残す可能性があるなら、後から追加できない形式である点も踏まえて、最初から入れておくほうが手戻りがありません。
Q5. 自分の商品や自分のサービスを紹介する投稿にも、PR表記は必要ですか。
自社や自分の商品の紹介は、見た人にとって発信者自身の宣伝だと分かる場合が多く、出どころが隠れている状態にはなりにくい形です。ただし、別人格のアカウントを使う、運営者が誰か分からない構成にする、といった場合は話が変わります。プロフィールを見れば運営者が分かる状態かを、あわせて確かめます。
Q6. PR表記を入れるとリーチが落ちると聞きました。本当ですか。
表記の有無とリーチの関係を示す公表データを、この記事の作成時点で確認できていないため、増減の断定はしません。気になる場合は、同じ形式・同じ時間帯の投稿を並べ、表記あり・なしで自分のアカウントの数値を比べる方法が現実的です。判断の材料は、伝聞ではなく自分のインサイトから取ります。

まとめ

インスタのPR表記は、法律の名宛人が誰かという話と、発信者が実務で何を求められるかという話を分けて考えると、迷いがなくなります。

規制の対象は広告主ですが、発信者は広告主との契約とInstagram側の条件の2系統から表記を求められる立場にあります。どちらも満たす形は、本文の冒頭で広告であることを示し、あわせてタイアップ投稿ラベルを使う形です。

投稿ごとの判断は、依頼・対価・内容への関与の3つを並べて決めます。無償提供でも依頼があれば表記側に寄せ、自分から投稿する予定だった商品は経緯を残したうえで自分で決めます。

使う言葉は「PR」に限られませんが、見た人が一読して広告だと分かる語と置き場所を選びます。

そして、判断そのものと同じくらい、判断の経緯を残す作業が効いてきます。依頼の原文、対価の内容、投稿への指定、決めた理由の4点を案件ごとにまとめておけば、後から表記の追加を求められても、投稿を作り直すかどうかを自分で判断できます。

表記を面倒な制約ではなく、案件を長く続けるための運用手順として組み込んでください。

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岡田颯太(ソウタ)

この記事を書いた人:岡田颯太(ソウタ)

株式会社S.Line代表取締役。Instagramの運用経験をもとに情報を発信しています。掲載内容に誤りがあれば訂正します。

読み終えたら、次は自分のアカウントで

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